ヒットソングもほとんど今回紹介するこの曲ぐらいしかないといっても過言ではない。
僕は大学生だった1990年頃、突然このバンドのある曲を聞きたくなり探しまわったあげくにようやく閉店セールをやっていたレンタルレコード店でこのバンドのアルバムを手に入れた。
残念ながら今は紛失したままである。
その曲のタイトルは「秘密警察」(Der Kommissar)という。
記憶が間違っていなければ今はコスモにスポンサーが変わってしまった DIATONEポップスベストテン でもランクインしてたので当時は日本でも多くの人が聞いていたと思う。
では何故、僕がこの曲に惹かれたのか?というと 「秘密警察」(Der Kommissar)の持つ個性による。
この曲は、今は亡き「ロック・ミー・アマデウス」で知られるオーストリアのミュージシャン、ファルコの作で原曲はもちろんドイツ語だった。
After The Fire は英語バージョンにしてリリース、全米5位のヒットになった。
「ロック・ミー・アマデウス」が1986年に全米1位のヒットを記録した時、あの 「秘密警察」(Der Kommissar)
の原曲を歌っていたファルコがここまでブレイクするとはと思ったものだ。
「秘密警察」(Der Kommissar) も 「ロック・ミー・アマデウス」もヨーロピアンヒップホップと呼ぶべきサウンドである。ファルコはもともとベーシストで言葉をリズムに乗せることに卓越した才能がある。けど、他のファルコのヒット曲を聞いてもらえば分かるが歌唱力、表現力もある。サビでの声の使い方が絶妙だ。
1982年当時ほとんどのコアな音楽ファン以外はこのような白人ラップの存在は知らなかっただろう。少なくとも日本では。アメリカでも異質だったと思う。
1986年の夏にはには Run-D.M.C が「ウォーク・ディス・ウェイ(Walk This Way)」でブレイクする。ヒップホップが徐々に市民権を得ていく。
「秘密警察」(Der Kommissar)はリリースが1982年。
なんと時代を先取りしていたのだろう。
厳密にはヒップホップ、ラップではないという人もいるだろう。
ファルコもATFもブラックミュージックから多大な影響を受けているとは思えない。
そういう議論は今は置いておく。
余談だが個人的にはヒップホップ的アプローチという点での衝撃度では、佐野元春さんが1984年に発表した「コンプリケーション・シェイクダウン」の方が印象が強い.
先鋭的なビート感覚に圧倒されたものだ。
話を戻します。
ATFの「秘密警察」(Der Kommissar)はファルコ版とアレンジはほとんど同じだけど、エレキとアコギを全面に出したロックサウンド、控えめなキーボードがかっこ良かった。中間部の掛け声もイカしていた。
今、聞いてみて皆さんはどう思われますか?
ちなみに2010年、現在、このバンドは再結成して活動中なのだ。
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